絶え間ない安全性向上による効率改善

2016年4月11日月曜日

安全は、板紙抄紙機の近代化を支える主要な推進力としてあまり見なされていなかった。これはStora Enso Imatra Tainionkoski工場 5 M/Cでの状況であった。安全はこのプロジェクトにおける主要目標のひとつであった。バルメットは、より安全なワインダ、リールからワインダまでの搬送レール、そして板紙抄紙機の測定と制御更新を納入した。

StoraEnso Imatra Mills

「安全に関する多くの懸念事項がありました。作業者は巻取ロールが背後で運搬される環境下で働かなければなりませんでした。」 Taruプロジェクト前の状況を Stora Enso Imatra工場の据付安全責任者である Juha Finne氏はこう語った。安全総責任者の Jaakko Väärä氏は「Tainionkoski工場では安全が第一です。」と述べている。

リールから製品倉庫までの装置は、特に安全性の向上が必要である。ジャンボロールや製品ロールの流れには、何ひとつ単純な動きはない。ロールはクレーンで昇降され、さらに前後にも移動するからである。プロジェクトの目標は、リールから製品倉庫までのすべての操作において安全性を改善することであった。

より安全で確実なワインダとは

いくつかのケースにおいては、既存のワインダの改造は価値のあることであるが、それはワインダの運転年数と状態による。改造工事は通常多くの改善項目を提供する。

Tainionkoski工場の場合、既存のワインダは 1960年代から運転されており、多くの改造工事がすでになされていた。しかし今回の場合、これまでの数度の改造の流れを踏 襲する理由はなかった。なぜならワインダは 90度向きを変える必要があり、改造にかかる費用は効果を上回ると予想されたからだ。

Tainionkoski 工場の場合、新しいワインダの導入がより費用対効果に優れている選択肢としてあがった。Stora Enso Imatra工場 プロジェクトマネージャーの Tommi Myller氏は以下のように説明した。「Stora Enso Kaukoppa工場は、バルメットのツードラムライダである OptiWin Drum を15年間使用しており、大変信頼性に優れていました。Tainionkoski工場においても、我々は最も重要なワインダへの要求は信頼性でし た。さらに、安全性と効率性を高めるために多くの自動制御機能を追加したいと考えていました。バルメットは多くの優れた実績を紹介してくれましたたので、 結論を出すのは簡単でした。」

バルメットは、ツードラムワインダ OptiWin Drum 1台だけでなく、リールからワインダまでの搬送レール、板紙抄紙機の測定と制御更新を納入した。このワインダは,リールスプールハンドリング,バットジョ イントスプライサ(自動紙継装置)、通紙装置、スプール交換装置、コアテープ貼り装置と巻端テープ貼り装置を含めた多くの自動制御機能を有していた。「これら全体の装置は高度に自動化されていました。」とも Myller氏はコメントした。

安全が利益を生み出す

「安全文化の大きな変化がこの 10年で起こってきました。我々の顧客は強く要求してきます。」と Väärä氏は述べる。

Taruプロジェクトはまた、投資に対する潜在的効果を試算することも要求された。Väärä氏は今日では、安全性の向上に対する投資を受け入れるためには管理が非常に重要であると述べた。「誰かが安全を改善したら、それは全員の利益につながります。組織全員への安全の教育には時間と費用がかかるかもしれません。しかし、プロセス全体が安全であれば、効率は向上して問題点はおのずと解決されるのです。」 彼はまたこのように続ける。「もしあなたがヒヤリハットをひとつ改善すれば、それは生産効率と職場環境の改善につながります。」 言い換えれば、効率と安全は切っても切り離せない関係にあるということである。安全は利益を生み出すのである。

 

安全性の改善工事

Taruプロジェクトの中で、安全は非常に重要な課題であった。作業現場に来るには、全体的な安全教育と保護具の着用が全員に義務付けられた。ヒヤリハッ ト事例は常にチェックされ、毎週のミーティングで報告された。「目標はゼロ災害でした。」 そして安全ガイドブックが活用された。

安全に使用される板紙製造設備を作り上げるために、工事期間中のすべての安全面をチェックする必要があった。安全は、現場作業がどのように計画されて実行され、プロジェクトに関わる人たちがどのように働くか、どのような保護具を着用して作業するか、つまりどのような姿勢で取り組むかに左右される。

「安全の話になるとプロジェクトに関わる会社毎に明確な差異が現れます。大規模な会社は一般的に先行しています。」とVäärä 氏は述べた。「バルメットの安全思想とバルメット社員の仕事ぶりは素晴らしいものでした。」とVäärä 氏は続ける。

安全への注目

バルメットでは安全は最優先の項目である。装置の安全性は、機械安全性、制御安全性、プロセス知識等の要素に分割される。バルメットはすべての分野において豊富な知見を有している。安全管理、装置の安全性、プロジェクトの安全な推進、現場管理はすべてこの改造工事に含まれるべき内容である。

バルメットが供給する抄紙機の安全に関する装置すべては、ヨーロッパ標準規格によって要求されるレベルを満足す、あるいは超えるものでなくてはならない。バルメットは、すべての安全装置が妥当であるかを確認する手法を有している。「バルメットのすべての安全に関わる装置には安全基準が設計に反映されており、我々はそれを信頼しています。」と Myller氏は述べた。