リファイニングの更新による原材料の削減
2016年3月11日金曜日
ひとつの項目として考えた場合、原材料は製紙会社にとって最大の出費と言えよう。JSC Arkhangelsk PPMはリファイニング工程の更新により製品の競争力を高めた。最終製品の品質の向上や原材料の削減、そして20%にも及ぶ省エネが可能となった
ロシア最大の板紙メーカーである JSC Arkhangelski PPMは、生産能力の増強、品質の向上、コスト削減、そしてサステナビリティを目標に設備投資を行った。調成工程の更新に伴い、バルメットの新しいリファイナー OptiFiner Proが Novodvinsk工場での目標達成の後押しをした。
「1号マシンと2号マシンで生産する製品の競争力を高めたかったのです。」と述べるのは板紙部門の技術責任者である Alexander Tufanov氏。「リファイニング工程では、古いディスクリファイナーを使っていましたが、生産能力に限界があり製品の品質も上げられませんでした。新しいアイデアの導入を検討するいいタイミングでした。」と続ける。「バルメットからの提案は歓迎でした。というのも、省エネ分野では、高い評価を得ている会社ですから。新しいリファイナーを使えば、リファイニング工程を最適化して製品の品質を向上することができると感じました。革新的な叩解メカニズムが鍵でした。」と Tufanov氏は説明する。
”新しいリファイナーを使えば、リファイニング工程を最適化して製品の品質を向上することができると感じました” |
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板紙部門技術責任者 |
原材料の削減
最終製品の品質や機械的特性が向上したことは画期的である。破裂強度や圧縮強度などの重要な品質が向上した。「このおかげで、クラフトライナーと中芯にセ ミセルロースを増配することができ、原材料の削減につながりました。」と Tufanov氏は述べる。Tufanov氏はさらに、新しいリファイナーでは品質を下げることなく、濾水度の目標値を変更できた品種が増えたことも指摘する。
操業性の向上
クラフトライナーを抄造する1号マシンの調成用リファイナーとして、OptiFiner Proを4台導入した(原料:NUKP)。中芯やユニライナーを抄造する2号マシン用としては、OptiFiner Proを4台導入すると同時にスクリーンも更新した(原料:N材とLNの混合原料)。「1号マシン、2号マシンともに、調成の工程自体は変えていません。 新しいリファイナーは制御の柔軟性が高く、目標品質までの到達時間も短いです。工程全体を可視化しましたので、運転状況や工程管理が容易に監視できます。 2号マシンにとって長年の課題だったクラフトライナーと中芯の抄替時間を大幅に短縮することができました。」と Tufanov氏。リファイニングでの処理量も大きく増加した。
20%にも及ぶ省エネ
持続的かつ効率の良い生産を目標としているため、リファイニングで省エネができる重要性を製造部長の Dmitriy Hrapach氏は強調する。「新しいリファイナーは、当社の期待をすべて満足させました。省エネと品質向上の両方の目標をクリアしました。リファイニングで削減した電力量は大きく、1号マシンでは 5%以上の省エネになっています。2号マシンでは大幅に削減できており、約 20%の省エネが図れました。」と Hrapach氏は言う。
「1号マシンと 2号マシンの調成工程を更新することは、製造工程の改善のひとつでした。目に見える形で成果が現れ、品質の向 上・原材料の削減・省エネができました。今後も増産を計画しているため、今回の改造工事はさらなる改善への大きな第一歩となりました。」と Hrapach氏は締めくくる。
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"OptiFiner Proは最新であり、コンパクトで省エネルギーです” |
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製造部長 |
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