デジタル・エボリューションの発明者
2018年7月12日木曜日
バルメットは、1960年代からずっとお客様のためにデジタルソリューションを開発する先頭に立ってきた。1979年に Damatic分散制御システム(DCS)を発売したことで、インダストリアル・インターネット時代になった現在も継続しているバルメットのデジタル開発に確固とした基礎が敷かれた。
バルメットはプロセス産業のデジタル化において長い歴史がある。その端緒は、バルメット初のオートメーションソリューションが市場に投入された 1960年代に遡る。1990年代には DCSが導入され、生産プロセスに知能と発展的情報を組み込むことが可能になった。
「私たちは長い間インダストリアル・インターネットを目指して取り組んできました。ですから私たちこそ、お客様にデジタルサービスやデジタル機器を提供する真のパイオニアであると言えると思います。」と、バルメットのオートメーションビジネスライン部長 Sakari Ruotsalainenは断言する。
「1979年、分散制御システムを発売する世界で2番目の企業になったことで私たちは大きく前進しました。当時既に、当社のDCSにはさまざまな機械制御システムを統合することが可能でした。その技術を継続的にリニューアルし、一層発展させてきました。今日、そのシステムはバルメットDNAと称しています。」と Ruotsalainenは話す。
デジタル開発の基礎としての統合オートメーションシステム
高度DCSによってバルメットのデジタル開発に確固たる基礎ができた。統合オートメーションシステムの利点は、工場の作業者による機械とプラントの一体的な運転を可能にすることにある。システムによって工場やプラントの生産プロセスをモニターし、制御することができる。
「例えば、お客様のパルプ生産プロセスに設けた、制御システムに接続された計測ポイントや制御ポイントは 30,000ヶ所以上になることもあります。バルメットが納入する抄紙機には品質管理システムが装備されており、紙厚、坪量、光沢度、水分量といった特性値を絶えず計測、制御することで、紙質や、機械安定性、生産効率を最適化しています。」と Ruotsalainenは解説する。
「さらに、私たちは高い専門性を有するプロフェッショナルであり、お客様が生産プロセスを制御するのを支援することもできます。私たちは、500以上に及ぶお客様の生産プロセスとオンラインリモート接続をしており、機械装置の監視や、機械を最適化し効率的に運転する方法をアドバイスすることができます。」
長期研究開発(R&D)とお客様との協力
デジタル化における今日のバルメットは、長期に及ぶ研究開発とお客様との協力によってもたらされたものである。
「早くからデジタル化に取り組んできたことで、条件監視といった新しい機能やサブシステムを継続的に開発し、当社の DCSに組み込むことができました。そのため、当社のお客様は統合されたプロセスオートメーションシステムの利点を余すことなく活用することができます。お客様の生産プロセスを広範囲に把握していることも私たちの決定的な長所のひとつです。」と指摘する。
インダストリアル・インターネット - データとの対話
デジタル化における次の一歩は、お客様の利益のため一層広範囲にデータを分析、利用することで、工場オペレーションの可視性と生産性を向上させることであった。バルメットはプロセス技術、オートメーション、サービスにおけるノウハウに基づき、インダストリアル・インターネットのアプリケーションとサービスを包括的に提供するシステムを開発してきた。また近年、エネルギー、パルプ、紙・板紙、ティッシュのお客様や、さらにオートメーションのためのリモートサービスセンター「バルメットパフォーマンスセンター」を 5つ設立した。
「今日よりもさらに賢く、効率的に機械を運転し工場を操業する方法への理解を深め、またデータ利用を改善するための高度な分析ツールを開発しています。その狙いは、原料とエネルギーコストを削減し、予定外の運転停止を最小限にし、ウェブ破損の数を減らすことです。」と、バルメットのインダストリアル・インターネットオペレーションディレクター Jari Almiは解説する。
敏速なアプリケーション開発
統合デジタルテクノロジープラットフォームの創設において先を見越した取組みを早期に始める大切さを Almiは強調する。「私たちはすべてのオートメーションシステムを単一のプラットフォームで実行します。プロセスオートメーションのデータに統一性を持たせて利用可能にしているのも、新しいインダストリアル・インターネットのアプリケーション開発にとって重要なことです。」と指摘する。
「例えば、お客様の生産ラインのプロセスデータを分析して、KPI指標の評価や意志決定のために可視化させることができます。お客様は、工場内の機械装置全体に対する個々の機械の性能基準を定めることもできます。インダストリアル・インターネットは、装置全体における個々の装置間の誤差を小さくする優れたツールになるだけでなく、工場の生産性を向上させるためのツールにもなります。」と説明する。
また、インダストリアル・インターネットのアプリケーション開発分野において、バルメットはソフトウェア開発プロセスを敏速にする方向へ動いている、と Almiは言いう。「ソフトウェアの最初のバージョンを即座に発売し、それをお客様と共同で継続的にアップデートしていくという構想です。これは、従来の商品開発に対する新しい概念です。」
工場全体の最適化に向けて
デジタル化によって、高度プロセス制御、予知保全、工場全体の最適化といった分野に特に新しい可能性が開けている、と Ruotsalainenは強調する。
「例えば、バイオエネルギー生産は急速に成長しています。当社のお客様は、腐食を発生させたり発電ボイラーに悪影響を及ぼしたりする可能性がある数種の燃料を混合したものを使用しています。故障を防ぐため、燃焼工程を計測する分析装置や、制御モデル、最適化モデル等を開発してきました。新しい技術とアプリケーションが、腐食の影響を最小にする適切な混合燃料や物質の使用についてガイダンスを提供します。」と Ruotsalainenは説明する。
「このサービスには、当社の分析、オートメーション、エネルギーにおける実績、例えば流動床ボイラー用の多角的性能監視アプリケーション、固形燃料用燃料管理システム、条件監視、その他発電所のオートメーション用に設計したDCS機能等における経験が集約されています。」