Jujo Thermal社でのパルプリファイナー制御の改善
2018年12月17日月曜日
Jujo Thermal社の製紙工場は、その PM 1製紙ラインに Valmet Pulp Analyzer(Valmet MAP)を設置した。リファイナーの状態と、それが紙の品質に与える影響を今まで以上に良く理解するためである。
フィンランド南西部 Kauttuaに位置する Jujo Thermal社は日本製紙の子会社であり、ラベル、チケット、タグ、および POS用の耐久直接感熱紙の世界有数のサプライヤーである。この工場では、2台のオフマシン塗工機と 3台のワインダーを備えた 2台の抄紙機を稼働し、年間 8万トンの紙を生産している。
More fiber information今まで以上の繊維情報
耐用年数が訪れて交換が必要だった古い濾水度分析器を Valmet MAPに置き換えた。「古い分析器は Schopper Riegler(SR)濾水度だけを表示していました。リファイナーをより良く操作するためには、もっと多くの情報が必要でした。」プロダクションマネージャーである Juha-Pekka Kaivola氏はこう述べる。Schopper-Riegler、またはカナダ標準濾水度(CSF)は、パルプの希薄懸濁液の脱水可能速度を提供する。それは表面状態および繊維の膨潤に関係しており、パルプが受けた機械的処理量の指標を与えるものである。「SRの数値だけではわかりません。」Kaivola氏は続ける。「Valmet MAPは、SRに加えて他の繊維特性も自動的に測定し、叩解条件とそれが紙の品質に与える影響について、私たちに今まで以上の洞察を与えることができました。」
濾水度と繊維長の傾向表示
Valmet MAPは SRの標準化された測定方法を自動化して、標準プラットフォームに追加可能なその他繊維特性測定値と共に、信頼性の高く正確な濾水度測定結果を提供する。広葉樹材用と針葉樹材用のそれぞれのリファイナーの前後から分析器に自動的に供給するため4点のサンプルポイントが設置され、5点目のサンプリングポイントは破断線においた。「その結果は制御室の大型ディスプレイに表示され、オペレーターが 24時間の傾向を見ることができます。」PM 1設備オペレーションマネージャー Albert Ulla氏はそう話す。「私たちには自動でリファイナーを制御することも可能でしょう。しかしもっと多くの経験を積むまでは、オペレーターは現在表示される値に従って、手動でリファイナーの比エネルギーを調整しています。」
強度予測
「Valmet MAPは、例えば繊維のフィブリル化やファインなど、これまで以上の情報を私たちに提供してくれますが、現在使い方を学んでいる状況です。また、Valmet Modelerという完成シートの強度を予想できるツールもあり、今後はこれをもっと活用したいと考えています。これはトライアルに非常に役立ちます。顧客の多くは今まで以上に軽いグレードを求めていますが、坪量を減らすと強度も下がります。Valmet MAPを使用して強度を予測できますが、それはつまり長期のトライアルなしで、叩解を増やし、目標の達成が可能かどうかを確認できるということを意味します。しかしそれはまだ先のことです。」Kaivola氏は言う。「現在、強度値の変化を調べることができます。変化が見られたら、振り返って繊維の長さやフィブリル化指数が、それらにどのように影響したかを見ることができます。またパルプの供給元もいくつかあり、バッチ間での繊維長の違いを確認し、必要に応じて対応をしています。」
資金と資材の節約
制御室の大型ディスプレイによって、オペレーターは叩解の方向性や状態を常に把握する。「私たちの坪量スケールは 40から 200 gsmと大変幅広く、それに合わせて機械速度とパルプの流れも大きく変わります。」Ulla氏はそう述べる。「信頼できる情報がなければ、強度の低下は 3~4リールで起こるでしょう。それは叩解条件を変更していないためです。」「サーマルコーティングカラーは非常に高価なので、塗工前の無駄を省くことで多くの費用を節約できます。オペレーターは画面を通して強度に変化があるかどうかを確認し、問題が叩解の前後のどちらにあるのかをすぐに判断できます。」同氏は続ける。優れた叩解管理には、正確な比エネルギー設定値を確実にするための正確な一貫性制御も必要である。これは Valmet Microwave Consistency Transmitter(Valmet MCA)によって達成される。「この用途に対しては最適な解決法ではなかったブレード整合性トランスミッターを両方の叩解ラインで交換しました。現在では Valmet MCA測定を本当に信頼しています。」Ulla氏は満足げに語る。
より良い叩解
Valmet MAPには手動サンプル能力もあり、第2抄紙機 PM 2上で有効に利用されている。測定に信頼性が増したことで、以前には実験室で行われていた通常の濾水度測定が、現在では Valmet MAPに置き換えられている。「分析器は大きな保守上の問題もなく、良好に機能しています。叩解工程は間違いなく向上しました。」Kaivola氏は断言する。「私たちは無駄を減らしてお金を節約しました。私たちはまだ学習曲線の最初の段階にありますが、Valmet MAPはすでに私たちに多くの新しい可能性を開いています。」
本記事は広報誌 Forward magazine 1/2019に掲載されています。
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