Mayr-Melnhof社 Kolicevo工場ではコータセクションの改造によりすべての目標を達成
2017年7月6日木曜日
良い計画の立案、適切な装置そして専門家が揃っていれば、たとえ板紙抄紙機の困難な改造プロジェクトであっても計画どおりに良い結果が達成される。
「プロジェクトのすべての目標を達成しました。走行性は改造前よりも良くなっており、効率も良くなっています。」と、スロベニアの Mayr-Melnhof社 Kolicevo工場の技術者であり生産マネージャー代理である Rok Sustar氏は述べる。1年以上経過した後も、このポジティブな雰囲気は変わらなかった。工場の職員はコータセクションが改善したことに満足するとともに自信を持っている。
改造の前、Mayr-Melnhof 社 Kolicevo Karton工場の板紙抄紙機 BM3は走行性と効率についてのやっかいな問題に直面していた。板紙抄紙機の抄速が増してきたのに加えて、既存の塗工技術がもはや適さなくなったことから、コータセクションの改良が必要となった。その結果、コータセクションを改造する決定がなされた。
決定の前にパイロットトライアル
改造を決定する前に、フィンランドの Järvenpääにあるペーパーテクノロジーセンターにて塗工コンセプト、コーティングカラーの化学および性能のテストを行った。Rok Sustar氏は、パイロットマシンを走らせる機会を持つことで正しい解決策の見極めが容易になると信じている。目前に完全な証拠があれば、仮定や憶測をよりどころにする必要はない。「あなたは利点に納得し、良好な走行性を目の当たりにできます。」と Rok Sustar氏は言う。
MM Kolicevo工場の Rok Sustar氏(左)とバルメットの Timo Nurmiainenはパイロットトライアルの重要性を理解している。つまり、トライアルが抄紙プロセスとコーティングの化学をテストする機会を与えてくれる。
専門的なプロジェクト
明確な目標を念頭に置いて、多層カーテンコータとブレードコータは、2015年夏にかなり短期の休転の後、スタートアップした。2層カーテンコータのためのカラー供給システムも設置した。Sustar氏の説明によると、バルメットの職員は真の専門家であったと説明する。彼が続けて言うには、「据付は計画どおりに進みました。据付期間は短く、やるべきことがたくさんありました。例えば、建設し、水を使ってこれをテストするといったようなこと – しかしすべては順調に進みました。カーテンコータが小型であることは、この改造での真の利点でもありました。」
「このコータは10分で稼動しました」
すべてがうまく計画されていれば、直ちに良い結果が得られる。装置を顧客の工場に向けて出荷する前に、すべての動作および油圧系はワークショップでテスト済みであった。「10分で板紙は販売可能なものになりました。」と Sustar氏は述べる。
このコーティングセクションは、改造の後、操作は容易になり信頼性は高まった。カーテン塗工は非接触塗工方式であるため走行性が良く紙切れが減少する。「このコーティングステーションを用いれば二流の板紙は少なくなり、紙切れも減ります。また、日常の取扱いは以前よりもはるかに容易です。」と Sustar氏は述べる。
カラー供給システムで得られる高品質のコーティングカラー
カーテンコータでは、高品質の塗工を実現するには、完全に空気を含まない塗料が必要である。このため、OptiSupplyマシンサーキュレーションとその脱気装置に高い基準を設けている。「カラー供給システムの脱気装置は非常にうまく働いています。常に望みの圧力に達しています。」と Sustar氏は述べる。メンテナンスの要求は比較的少ない。「脱気装置は 2ヶ月毎の長い休転の折に洗浄します。洗浄はとても容易です。装置を開けて、高圧水で洗浄し、再び閉じるのに所要時間は 2時間以内です。しかもすべてが含まれています。」もっと短い休転では短時間の自動洗浄シーケンスを使用する。
さらに一層の改善を求めて
Kolicevo工場は客先がより高品質、低価格を求める度合いがますます高くなっていることに気付いた。継続的に改善するというのはどの生産者にも常にある心理状態であるに違いない。
コスト有効性があって結果の早く出るような改造が唯一の代案である。運転停止はどのようなものであっても板紙メーカーに直接の収入減を招くことになる。良い結果を得るためには正しいコンセプトの選択、良い計画の立案、適切な原材料の使用が必要であり、これによって希望する目標が達成される。改造には常にチャレンジを伴うが、信頼できる良いパートナーが居ればリスクは最小化される。「バルメットの職員は本当の専門家です。」と Sustar氏は要約する。