エストニアでの生産量アップ事例
2014年3月28日金曜日
スラブプレスとベーリングラインのその他のアップグレードの結果に満足する Estonian Cellの工場長 Lauri Raid氏
Estonian Cellはヨーロッパで唯一のアスペンだけを原料としたパルプ工場で、一系列のベーリングラインの生産量をアップし稼働時間を向上させたいと考えていた。
Estonian Cellは 2006年に稼働してからヨーロッパで最大のアスペン BCTMPの生産工場である。しかしながら急激に増加した電力コストと生産量の頭打ちが経営状況にネガティブな影響を与えた。これに対し会社は果敢な戦略的投資プランを立てた。それはスラブプレスに対する投資と、バイオガスを供給することで工場の電力消費を削減できる新しい画期的な排水処理を含んでいた。
「経営状況を改善するための最も重要な投資のひとつが顕著に生産量を増加し、コストを削減するためベーリングラインを増強するというバルメットとの契約でした」と Estonian Cellの工場長、CTO、重役の Lauri Raid氏は言う。
操業中のバルメットの新しいスラブプレス
生産量アップしコスト削減
エストニアの首都 Tallinnの 110 km東に位置する Kundaにパルプ工場は位置し、もともとの設計はエコフレンドリーで硫黄フリーのプロセスで塩素フリーな漂白設備でのアスペン BCTMP、年間 140,000トンの生産量であった。
「会社が生み出していた損失を考え、新しいスラブプレスへの投資がより現実的になってきました。」と Lauri Raid氏は続ける。「ということで生産量アップとコスト削減を実現することが最優先事項となりました。私たちは稼働時間の問題と装置に起因する停止について取り組み、保全コストを削減したいと思いました。それと別に次の 3つの目標を持ちました: ベールラッパーの状態を改善する、ベールのワイヤをダブルからシングルにする、客先に大きなベールもオプションとして提案する」
新しいスラブプレスからのさまざまな利益
Estonian Cellは 2011年に Austrian Heinzelグループの傘下に入った。1年後、バルメットは日産 500 adtのアスペン BCTMPを製造するためのスラブプレスとベーリングラインのある部分の設計、供給、据付の注文を得た。
改造の中心はバルメットのスラブプレス PFE型で、全世界で 70工場以上に納入されたフラッシュドライパルプ用の自動ベールフォーミングマシンである。
新しいソリューションが以前のプレ圧縮問題を解決したと Lauri Raid氏は説明する: 「スラブプレスへの不均一なパルプ供給が主な問題でした。圧縮を早く始め過ぎると他のすべての問題がそこから発生します。バルメットのダブルスクリューソリューションは良好でより均一なプレスへのパルプ供給をもたらし、生産量アップを得るための最良の設計でした。」
新しいスラブプレスに加え、Estonian Cellでのアップグレードプロジェクトはベーリングラインの一部改造も含んでいた。
隣同士に並ぶ新しい機械と古い機械
しかし、挑戦はスラブプレスを交換すればいいという単純なものではなかった。「私たちは古いラインからいくつかの機械は残し新しい機械と合わせたいと考えました。」と Lauri Raidはコメントする。「古いプレスと新しいプレス両方から同じベーリングラインへ供給できるオプションも希望しました。つまり新しいプレスが古いプレスの隣に据え付けられることとなりました。」
新しいラインの要素でさらに普通でなかったことは、フラッシュドライヤから2台のプレスにパルプフローを分けるための大規模な上部パルプ分配スクリューでした。
「最初私たちは新しいプレス用に新しいクーリングタワーを立てなければならないと思いました。」と Lauri Raidは説明する。「バルメットが分配スクリューの経験を持つ唯一のサプライヤーで、このソリューションがプロジェクトコストを大きく削減しました。」
新しいスラブプレスは2013年7月から操業に入っている。古いプレスは現在スタンバイとなっているが、将来的にはこれを再度操業に取り入れることはオプションとして残している。
新しいスラブプレスからベールは L型コンベアシステムを通って既設のベールプレスに供給される。新しい機械と古い機械はライン上に混在している。新しい機 械には効率的なベール包装紙供給とフォールディングを提供するバルメットの RoboApplierと RoboFolderが含まれている。バルメットの RoboHightyerは、大規模なパルピング用に使用するための 2個の包装無し標準ベールからなる「大きなベール」を製造することによるベールオプ ションの幅を拡張する。
達成された目標
「私たちのすべての目標は達成されました。」と Lauri Raid氏は満足げに言う。「私たちのベールラッパーはスマートで、シングルベールワイヤを使用することでワイヤコストを削減し、それは客先におけるワイヤ除去を削減することを意味します。また今では大きなベールもオプションとして提供できます。保全コストについて評価するには時期尚早ですが削減が期待できそうです。生産安定性は良好で稼働時間の目標も達成しました。」
「最も重要なことは私たちの最優先事項が達成されたことです。目標生産量は簡単に達成されました。実際にはつい最近 557トンを生産することでそれまでの日産記録を塗り替えたところです。このまま行けば 2014年の 165,000トンという目標に達しそうです。」
Estonian Cellについて
エストニアは国土の 50%を森林が覆う数少ない国の一つであり、その森林資源の約 8%がアスペンである。Estonian Cellは高品質のアスペン BCTMPを製造しており、製造されるパルプは主に印刷筆記用紙で白色度、不透明度、嵩などを最適化させるために使用されている。2011年に Austrian Heinzelグループの傘下に入った。