Klabin社の PUMAパルププロジェクト - ブラジル Paraná州で最大の民間投資
2017年10月23日月曜日
大規模パルプ施設の建設は容易な仕事ではない。未開発地域のプロジェクトにはその設計段階から着工作業、建設、試運転および最終のスタートアッププロセスにいたるまで何トンもの装置と何千の人々が関係する。そのカギは多くの分野にわたるチームからさまざまな専門家をうまく集めることである。
幅広い技術ノウハウ、技術革新およびブラジルでの強力な存在によって、バルメットは世界最大のパルププロジェクトの一つにパルプ乾燥ラインを供給する最良の選択肢となった。そのプロジェクトとは、ブラジル Paraná州の Ortigueira地区にある Klabin社の PUMAパルプ工場プロジェクトである。
85億レアル(22億ユーロ)の Klabin社 PUMA新パルプ工場の投資は 2016年3月にスタートアップし、パルプ製造のための世界的なバルメット技術を含んでいた。全プロジェクトの課題と期限は成功裏に満たされ、間違いなく Klabin社はビジネス戦略のための大変革につながる技術を獲得できた。PUMAプロジェクトは同時に漂白広葉樹パルプ 110万トン/年および漂白針葉樹とフラッフパルプ 400トン/年の生産を達成した。この設備は、木材、樹皮およびリグニンをベースにした 100%再生燃料を用いて電気 270 MWを生産するように設計されており、内部で 120 MWを消費し、ブラジルのナショナル・グリッドに最大 150 MWを送電する。
最終製品としてフラッフと針葉樹の市販パルプ
バルメットの納入範囲は 2系列の乾燥マシン、ベールおよびロール仕上げラインを含んでいた。「このプロジェクトは多くの点で異なっていました。同時に、これは世界でも最大でありかつ最高の生産能力を持ったマシンの一つ、すなわち幅 9.5 mで生産能力 3,500トン/日、最初の乾燥マシンが並んだ状態で南米でフラッフと針葉樹の市販パルプの両方を生産するように設計されています。顧客の求める製品に応じて同じマシンでロールとベールの生産が行えます。」とバルメットのパルプ乾燥技術部門のディレクターである Paulo Aguiarは説明する。納入にはまた 2台のワインダと、特別な注意を払ってフラッフ生産用のプラスチック包装を行う完全自動化のロールハンドリング装置が含まれる。
最適なシート地合を得るためバルメットのパイロットマシンでのテスト
「フラッフは通常の市販パルプよりも高い品質とさらなる物理的な特性を必要とする製品です。Klabin社として私たちは新しいマーケットに参入し品質での差異の獲得を楽しみにしており、確実に最良の製品が得られるような研究開発に投資してきました。」とKlabin社の技術・パルプビジネスユニットのディレクターであるFrancisco Razzolini氏は述べる。「同時に、私たちはフラッフの品質を損なうことなく針葉樹の市販パルプを高生産する柔軟性のあるマシンを得ることを望んでいました。両方の製品とも最良となるシート地合を得る最適設計を決めるためにスウェーデンにあるバルメットのパイロットマシンを使って共同研究を行いました。」と加えた。
製品の開発はフォーミングセクションで止まらなかった。このマシンはまたキャリパーコントロールを装備していることから、確実に平行なジャンボロールが得られる。これはワインダをうまく操作するには不可欠である。これは抄紙機では達成するのは単純にみえるかもしれないが、坪量が紙の10倍高い乾燥マシンでは容易な仕事ではない。「私たちは、市場で最も価値のあるパラメータの1つである低エネルギーの解繊特性を持ったフラッフパルプを製造するプロジェクトを展開させました。」とKlabin社 Ortigueiraのインダストリアル・ディレクターであるSadi Oliveira氏は述べる。「このラインはまた完全に自動化されておりオペレータの介入は最小で済みます。これはジャンボロールが包装ラインに運搬される過程のすべてに当てはまり、私たちの操業では安全を優先しています。」と彼は付け加えた。
環境への熱心な取り組み
PUMAプロジェクトは、環境への影響の低減、ならびに植林や公認の森林からの原材料の利用、近在のコミュニティの社会経済的発展、健康と仕事上の安全および技術革新に焦点を合わせ、利用可能な最良の技術を用いて展開された。
環境面については、専門のチームが事前に決められた条件を調査し、建設段階、試験およびスタートアップの期間に新プラントの地域での環境への影響を監視した。大気条件、ノイズ発生、動物および水質はすべて、建設のあらゆる段階で近隣のコミュニティへの影響はどのようなものであっても緩和させるように完全な監視を行った。
環境投資には固形廃棄物処理プラントの設置が含まれており、これは他の産業廃棄物から従来の再使用可能な物質(繊維、スラッジ、砂粒、くず)を分離する狙いがあり、産業廃棄物の埋立地の必要性を最小限にするものである。
建設段階では、その地域の労働力を活用するための構造を組み立て、トレーニングコースを実施し、必要な専門家を用いるときはいつでも地域の労働力の活用を優先した。「土木工事の段階で、建設労働者の約 80%は Paraná州の出身であり、また非常に高い熟練レベルの専門家を必要とする電気機械の組み立て段階でさえも、地域の労働者は約 50%を占めていました。」と Klabin社のプロジェクトマネージャである João Antonio Gomes Braga氏は語る。
地方自治体への熱心な取り組み
PUMAパルププロジェクトは Paranáにおいてこれまでなされた民間部門での最大の投資であり、インフラと回収可能な税金を含み、建設は 25ヶ月で初期の予算範囲内で完成した。
建設段階のすべてからは 7億レアル(1億8,400万ユーロ)の税金を発生した。施設は 3億レアル(7,900万ユーロ)を税金で毎年支払うことが期待されており、莫大な金額が地域社会に生み出されることになる。「新しいパルプ工場と森林の操業が 1,400の新しい仕事を作り出し、約 4万人の労働者がこの仕事に就きました。」と Francisco Razzolini氏は語る。
社会的責任
Klabin社は 2012年の社会投資を決定するに際して、PUMAパルプ工場が直接影響する地域である Ortigueira、Imbaúおよび Telêmaco Borbaの地方自治体の社会診断を実施した。都市部および農村部での多くの異なる利害関係者を含む幅広い参加プロセスを通して、Klabin社は PUMAプロジェクトの社会および環境アクションプランを開発し、健康、教育、文化、リクリエーション、環境、家族農業などのさまざまな領域でイニチアティブをとった。
長期のパートナーシップ
バルメットと Klabin社の間の協力関係はこのプロジェクトに限らない。Klabin社は最初の 3年間の操業期間中、乾燥マシンのメンテナンスをバルメットに外注した。17人のチームが利用可能性とマシン効率を最大化するため工場内で作業を実施する。これらの人々はまたリモートアクセスによってバルメットの専門家を活用することもできる。