最高走行性のためのドクター工程

2019年6月13日木曜日

Indah Kiat Pulp&Paper(IKPP)社 Perawang工場は、機械の走行性と性能をさらに向上させようとしており、バルメットの専門技術者達に改善が可能な分野の特定を依頼した。ドクター工程全体を見直す計画が立てられた。

Hannu Eerikäinen, Valmet;Ginanjar, Valmet;Tandi Muharam, Valmet;Aska Ramadhan, APP and Rusman Rianto, Valmet.

写真(左より):Hannu Eerikäinen, Ginanjar, Tandi Muharam(以上、バルメット), Aska Ramadhan氏(APP), Rusman Rianto(バルメット)

Indah Kiat Pulp&Paper社 Perawang工場は、Asia Pulp & Paperグループの最大の工場の一つだ。インドネシアのスマトラ島に位置している。この完全統合型工場は、年間およそ 80万トンのパルプとおよそ 120万トンの紙と板紙を生産している。

バルメットと同工場の協力関係は 2012年から始まった。当時は PM 6設備の再生プロジェクトが終了間近であった。同工場は機械の走行性と性能をさらに向上させようとしていた。同社はバルメットの専門技術者達に改善が可能な分野の特定を依頼した。

「私たちは直前のマシン再生プロジェクトを、マシンデータの収集と、性能指標の評価用のベースとして利用しました。当初機械には乾燥前の破損、時折の繊維パス、紙の穴などの問題がありました。徹底的な分析を行うと共に、お客様と私たちのチームとの間で検討を繰り返しました。その結果、ドクター工程が改善へのツールとして合意されました。」バルメットのグローバルテクノロジーマネジャーである Pasi Viitasaloは振り返る。

ドクター工程の見直し

PM 6設備の全幅は 10,500 mm、設計速度は毎分 1,500 m、容量は年間 400,000トンだ。上質塗工紙と上質非塗工紙を製造している。現地調査を繰り返し、すべてのドクター位置がチェックされ、それらの現状が文書化された。ドクター工程全体を網羅する改善計画が作成された。

「当社のドクター専門技術者が、早急に対処すべき位置をはっきりと特定しました。私たちはドクターブレードホルダー交換プロジェクトを立案し、直ちに対処が必要な位置に優先順位を付けました。最初の納入には、Valmet Doctor Holder Compactブレードホルダー、ドクターブレード、空気圧制御函および固定ネジが含まれました。それぞれは、各位置について選ばれたものです。私たちは、古いドクターブレードホルダーを最新技術のものに交換しました。優れたドクター性能と、簡単なドクターブレードホルダーの保守に加えて、初回の設置を出来るだけ短納期で実現したいと言うお客様の期待に応えることができました。」Viitasaloは振り返る。

新型ブレードホルダーによりメンテナンスが容易になり、最大 50%の時間の節約が可能となりました。”

継続的なメリット

初回のドクター工程改善プロジェクトの成功により、IKPP社 Perawang工場とバルメットの継続的な協力関係が生まれた。

「私たちは定期的に協力しています。その結果、さらにドクター工程を改善することができました。改善ドクター結果に加えて、私たちはドクター関連のダウンタイムを減らし、簡単なホルダー保守運用を達成しました。また、お客様のドクターブレード在庫に関連する正味運転資本を削減することができました。マシンが必要とするドクターブレード種類を最適化したからです。」Viitasaloは続ける。

簡単になった保守

最近では追加 17台のドクターブレードホルダーの納品を昨年完了した。

「私たちはバルメットのドクターブレードホルダーに大変満足し、さらに注文を更新しました。従来のものと比較して、Valmet Doctor Holder Compactブレードホルダーは保守をこれまで以上に簡単にすることができます。時間の節約は最大 50%で、マンパワーも少なくて済みます。機械の運転中にドクターブレードの交換や清浄が可能になり、全体的効率が 3%向上しました。また、バルメットは立ち上げの際に、素晴らしい支援を提供してくれます。」IKPP社 Perawang工場の Aska Ramadhan氏が説明する。

コストの削減

バルメットは幅広いドクター製品を提供している。例えば、ドクターブレード、ブレードホルダー、およびドクターアクセサリーなどが含まれる。これらの製品は市場で最も費用対効果が高く、最適なブレード寿命、省エネルギー、および安全性の向上を目標としている。

「製紙コストの削減と言う継続的な必要性から、製紙および板紙製造業者が直面する課題に、私たちは取り組んでいます。お客様の目的が、最小コストと良好走行性の組み合わせである場合には、ドクター工程は現代の抄紙機で重要な役割を果たす。これらすべてを達成するための良い方法の一つは、効果的なドクタープロセスを目指すことです。」Viitasalo氏は締めくくった。

本文: Pasi Viitasalo, Marianne Valta

本記事は広報誌 Forward magazine 2/2019に掲載されています。