DoubleDocドクタ方式により紙切れを大幅に減少
2017年4月6日木曜日
Iggesund Paperboard社ではバルメットのダブルドクタ方式を設置した結果、板紙抄紙機はより一層の安定走行が行え、マシン停止時間は減少した。
Iggesund Paperboard社の板紙抄紙機BM2は、近年、抄紙機での紙切れの主な原因となっていたドクタリングの問題を経験していた。シングルでのドクタリングでは第3プレスのトップロールを清浄に保つことはできず、これが異物の堆積を導き、シートに穴を発生させ、カレンダでの紙切れを引き起していた。BM2は 1ヶ月当りで 8回の紙切れが起きていた。そして、その度ごとに主要品質を満足させる生産に戻るのに平均で 1時間かかっていた。
同社は、こうした状況に基づいてプロジェクトグループを任命し、何社かの異なるサプライヤを招いて問題に対する解決策を提示させた。
パルプの堆積による紙切れはもはや発生せず
「私たちがサプライヤにバルメットを選んだ理由は、彼らの解決策が私たちを感銘させ、バルメットが自らについて非常に専門的な印象を与えたことによります。」と、BM2の生産エンジニアである Stefan Johansson氏は述べる。バルメットは注文仕立ての解決策を与えられるように丸 1日間、事前検討を行っていた。
新しいドクタリング方式のための契約は 2015年6月に締結し、据付は予め計画していた 11月の 5日間の休転中に行った。バルメットの据付要員はダブルドクタの据付の責任を持っていた。工事はスムーズに進行し、わずか 3日間で終了した。据付の後、据付要員の 1人がマシンのスタートアップに参加するために現場に残った。DoubleDocは ValCarと ValTechドクタブレードを用いてスタートした。これらは納入範囲内のものである。
バルメットの DoubleDocを用いることによって、第3プレスでのパルプの堆積が原因となる紙切れはもはや起こらない。近頃では、第2ブレードは第1ブレードを通過するかもしれないどのような堆積異物をも集めてくれる。ドクタブレードの交換周期は 6週間である。新しいドクタリングユニットは以前のものよりも大きいことから、通紙の折にマイナスの影響があるのではと少々の心配があったが、どのような問題も生じることなく作動している。
「私たちは、バルメットに最初にコンタクトしたときからスタートアップに至るまで、プロジェクトの進行に非常に満足しています。スタートアップでの2、3の調整は別として、ドクタリングが原因となるどのようなマシン停止もありませんでした。」と Johansson氏は語る。
BM2生産エンジニア Stefan Johansson氏 |
Iggesund Paperboard社工場はスウェーデン北部の Hudiksvallに位置している。同社は自社所有の化学パルプを用いたパルプと板紙の一貫工場である。同工場は食料、タバコおよび化粧品産業用のグラフィックデザイン包装のための漂白ソリッドボード(SSB)を生産している。板紙抄紙機 BM2は抄速 550 m/分で坪量範囲 180-380 gm2の紙を年産 195,000トン生産する。第3プレスセクションは元はシングルドクタブレードを装備していた。 |