最高抄速での生産を最適化
2018年7月10日火曜日
ルーマニアの Zarnestiにある EcoPaper社のライナーとダンボール原紙抄造機1号は、操業性、走行性、省エネルギー、最大生産能力といったあらゆる点で、新しい Valmet Sizer Applicator Beamsの恩恵を受けることになった。
EcoPaper S.A.は、原材料として紙と板紙古紙を 100%使用しダンボールを製造している。Zarnesti工場にある PM1は性能が悪いがため、フィルムサイザをポンドサイザとして使わざるを得なかった。この問題を解決するため、バルメットにプロセスパフォーマンスの調査を依頼することにした。
「当社のフィルムサイザにはいくつもの問題があり、これをポンドサイザとして運用する必要があったため、最大でも抄速毎分 500 mでしか運転できませんでした。私たちには本当に解決策が必要でしたので、バルメットが解決してくれたことをうれしく思います。」と EcoPaperのプロジェクトマネージャー Ion Ciolan氏は言う。バルメットは問題を調査し、このサイザに新しいコンポジットアプリケータービームを推奨した。「調査結果は明らかでした。Järvenpääにあるバルメットの組立工場でビームを見たことが、決断への最後の一押しとなりました。そしてバルメットの最新型コンポジットサイザビームを発注しました。」
生産を最適化するツール
新しいフィルムサイザ塗工ビームは 2017年10月に据付、運転開始し、現在完璧に稼働している。今では、最高速度である抄速毎分 1,200 mで運転できるようになった。ビームのおかげで、熱膨張による歪みがなく、プロファイル欠陥がない。Ion Ciolan氏は着目してきた改善点について次のように述べている。「ドライパートで余分な乾燥がなくなった今では多大なエネルギーが節約されています。サイザエリアの走行性が大きく改善され、サイザ内で染料を使用してお客様の要望する着色ボードが生産できるようになったことも大きな利点です。本当に、生産を最適化する優れたツールです。」
「再建したサイザを誇りに思います」
Ion Ciolan氏は「バルメットはこのプロジェクトで圧倒的なパフォーマンスを示してくれました。」と、その仕事ぶりに納得している。「今回初めてバルメットに仕事を依頼しましたが、この次も必ず依頼することでしょう。Valmet Sizer Roll Cover SHは、当社のサイザロール、サイザロッド、シーリングブレードをカバーしていますので、今ではサイザ消耗品をバルメットに委託しています。現在、ワインダーを板紙抄造機と同期して運転できるようにするワインダーの改造プロジェクトを手がけているところです。これにバルメットも協力しています。」 EcoPaperの Zarnesti工場にある PM1は、現在、坪量 80~170 g/m2、ワイヤ幅 5.4 m、設計最高抄速毎分 1,200 mで、ライナーとダンボール原紙を生産している。「再建したサイザに満足しているだけではありません。それを誇りに思っているのです。」と Ciolan氏はうれしそうに話す。